2005年08月28日

展示会出展設計のポイント

もうすぐ9月
以前ほどでなくなったにしろ
秋は新製品の発表が多く、
また大型展示会(見本市/トレードショー)も多くなるシーズンだ。

展示会は、業種などによっては、
意外に多くの予算を食うもの
(コミュニケーション関連の予算の中で大きな比重を占めることになる)
だけど
その割にはあまりその設計ノウハウが体系化されていない分野だ。

常日頃、「わかってないなー」って思うことが多い点について
(あまり詳しく書くといろいろ問題あるので)
ほんのちょっとだけ書きますね。

もちろん以下に書くようなテクニカルな視点の前に
そもそももっと基本的に
展示会で上手く伝わること、伝わらないことの理解、
それを踏まえて、
何のために何を出展するのか?
結局なにを残したいのか?
(話題量?話題質?接触リスト?商談量?市場の感触把握?業界内プレゼンスアピール?それとも??)
っていうことの方が遙かに大事なんだけどさ。
...まーそんなことは分かってるって前提で行きますね。

●来場者の理解:展示会特性の理解

 一見似かよったテーマ・同じ様な規模の展示会でも、来場層の質がまるで違うということは良くあることだ。
 ある展示会では、意志決定層の割合がすごく多いけど、ある展示会では若い現場技術者の割合がすごく多いとかさ。
 これは展示会成立の歴史的な経緯とか、主催者がどこにどういうルートで出展勧奨活動をして、どういうところで誰に告知するのか?ってのが大きいわけだ。
 例えば、比較的上級マネージメントが多いようなところで、詳細な技術的なことを熱心に語っても意味ないでしょ?

●接触量確保(告知,ブースロケーション)

 何万人も来る展示会ならそれだけで、少なくともその何分の一かが、前面通行するハズだって思ったら大間違い。
 大型展示会会場の中での人の流れは、海の中の海流の様に見えにくく、いつでもそこに
大量の新鮮な水が来ているように見えていても、実は、場所によっては水が溜まっているだけなんてこともあるのだ。
 まずは告知だけど、
ブース来場者をよく見てみれば、何らかのかたちで事前に出展を知って、目的地にしているケースが多い。つまり、事前にどう知らせておくかがけっこう大事なわけ。
だって、来場者にしてみても広い会場で全部なんて見切れっこないからね。
 次にブースロケーションだけど、
会場内の場所によって来場者の行動はかなり変わるということを意識した方が良い。
例えるなら、ターミナル駅の周囲に広がる大きな商店街での人の行動と似ている。
例えば、駅の周囲は通行量は多いが、あまり人は立ち止まらない...後で見ればいいやって思うからだ。深いポジションに成りすぎれば、通行量自体が減ってしまう。

●ブースサイズ(大通りへの接触面×深さ)

 これも、大きな商店街の店のサイズだと考えるとわかりやすい。
大きければ、それだけ存在感をつくれるし、大通りへの接触面以上にアピールし人を集めるわけだけど、工夫しなければ、奥へ奥へと人が行くわけではなくて、フロア面積あたりにしたらもっと小さなお店の方が効率が良いなんてこともある。
ただ、お店と違うのは、お店が階を重ねて3次元構造になっていることが多くて、地代あたりのフロアコストの効率が良いのに対して、ブースは殆ど2次元だからね。
...まー小間代なんて上物に比べればたかがしれてるわけだけどさ。
なんにしても人気ブースでも、ブースのプレゼンテーションレイヤー構造が深すぎると、前面ステージには人だかりがすごくても、奥の方のコーナーには人がちょっぴり(殆ど意味ないじゃん)なんてことも多いわけだ。

●テーマ・かなり思い切って訴求点の絞り込みたい

 これは、そもそもは「なんのために出展するのか?」の整理のはなしになるけど、そのもっと前手のレベルのはなしではなくて、もっとテクニカルなレベルのはなし。
 ブースの構造が複雑になって結局ろくに見てもらえない無駄で非効率な部分が生まれるのは、複雑なテーマ(訴求点)を持ち込むからだ。
大きなブースだから、いろいろ紹介したい...じゃなくて、本来は大きなブースだからこそ訴求点をおもいっきり整理して、シンプルな構造にしなきゃならない。
もちろんこれは、社内関係で決まることが多いわけだけどね。
出展を取り仕切ってる部門が出展効果を最大化するという観点で、本当に仕切れればいいんだけど、各事業部の「これも出させろ」を整理できないと、来場者に殆どなにも残せないことになっちゃうわけだ。
「これも出させろ」の整理は、年間を通しての出展対象展の整理も大事だよね。
各専門展でなにを出して何を残すか?総合展ではなにを見せて何を残すのか?ってね。
なんでもかんでも総合展に並べるのが正解とは限らない。

●接触時間の設計

 限られた時間の中でいろいろ見ようとするから...2時間も会場にいればヘトヘトになっちゃうから...来場者はいつもかなり急ぎ足だ。
そんな中で、延々とステージプレゼンテーションされても、とても付き合えないって人の方が多くなる。
 だから、前面通行しただけで瞬間的に最低限の伝えたいことは伝え...○○発表程度...=ブースの広告塔的機能、
その中味の要点を5分で伝え、
さらに興味があるならあと10分さらに深いことを伝える
といった程度の時間の使い方が目安になる。
さらにその上で、1日に何回そのプレゼンテーションパッケージを回転させ、何人にどこまで伝えるのかって設計が重要だ。
 もちろんこれは、ケースバイケースで、60分拘束したって上手く行くことだってあるのだけどね。
それをやりたいならネタと事前展開が大事だ。...でも、そんなんなら、プライベートセミナーやるとかの方がよっぽど良いと思うけど。...展示会によってはセミナー枠もあるし。
接触量を捨てて、機会を無駄にしている。

●継続的な接触・印象の継続

 せっかく見てもらっても忘れられちゃったら仕方がない。
 イベントというのは経験だから、とても強い印象をつくれるものだけど、大型展示会で、各ブースをまわってその経験がてんこ盛りになっちゃえば、結局残るのはほんの一部だ。
 以前は、パンフレットを集めてまわったものだけど、最近は帰ってからWebで再確認っていう行動を取る人も多くなった。
ところが、その肝心の事後行動の受け皿(つまり事後確認のためのWeb情報)が出来ていないことってのがすごく多い。
 また、最近は、コンシュマーも大勢やってくる展示会だと、事後にブログで見てきたことを紹介する...これが話題量づくり・バズづくりの大きなカギを握るってこともある。
 事後行動を上手く促すために、できることはいろいろあるでしょ?
少なくとも事後にWebに誘導するしくみは考えておかないとね。

--

とかく展示会設計というとブースデザインや前面展開の演出にばかり気を取られるけど、
...もちろんこれらは、アテンションがとれなきゃそもそも接触量自体とれないってこともあるし、
来場者は展示会で「企業の勢い」を体感していくという側面もかなりあるから
(例えば、失速していると思われるくらいなら出ない方がマシってことさえある)
たしかにものすっごく重要なのだけど...
同時にいろいろ意識しておきたいことはいっぱいあるわけだ。

そうそう、話題発信って点でも大事だよね。
特に新しいネタがなくても
例えば、専門ニュース系のWebの展示会取材が注目するようなことをやるってのはできるからね。
...その専門層が面白がるようなバカ系の展開とかさ。
でもって、あらためて存在アピール・ファンづくりするわけだ。

今日書いたことをサックリまとめると、

個別の展示会のメディア特性をちゃんと把握して
その上で

コミュニケーションストーリーをちゃんと考えよう

ってこと。

事前(出展を知ってもらう・関心を持ってもらう)
→会場内のどの位置で前面流動層になにをどうアピールするか?(ブースデザイン・前面演出)
→ブース内のテーマの流れ・時間の設計/1日を通してどう接触量と接触質をつくるかの整理
→事後につなげて、印象を継続させる・話題をひろげるしかけ

っていうストーリーね。

--

そのうち、時間あったら、メインサイトの方にもっと整理し直して載せておきます。

--

追記 29朝

展示会の基本はやっぱり

小規模ブースの
中身の濃い対面コミュニケーションにある

と思う
それを忘れないようにしなきゃ!
って書こうと思ったけど
もう出かけなきゃ
ヤバ

帰ってきてから書きます。

--

追記 29昼

朝書いた

中身の濃い対面コミュニケーション

ってのは、つまり、
製品開発担当者とかマーケ担当とかが
自身でデモしたり、来場者と語ったりってことね。

所詮接触量に限界のあるイベントだけど
やっぱり、経験こそが価値があるわけじゃん。

でもって、展示会での掛け替えのない経験ったら、
ひとつはモノ:出展物自体だし、
次は人だよね。

ナレコンが話すようなことなんて、
パンフみたり、帰ってWeb見ればわかるわけだし、
わかんないようなら問題なわけだし、
映像とかも同じ。
展示会では、ナレコンは「人」じゃなくて、
おしゃべり機械&装飾演出みたいなものだ。
(ナレコンやってた人が見てたら怒られちゃうかな?)

製品開発担当とかの生のしゃべりってのは、
個別対面的じゃなくて、1対多だとしても
それは来場者にとってはけっこう貴重な印象深い体験になるんであって
またクチコミネタにもなるんだよね...今はブログネタか。

実際、来場層に調査かけたりするとね
確かに派手なステージとかに引き寄せられたりしているのだけど
後になっても覚えてて、既存の評価を変えちゃたりするのって
対面コミュニケーションであることが多いんだよね。

どういう種類のブース演出であろうと
出展企業の担当者が積極的にマイクを握らないってのは
かなり機会を無駄にしていると思って良いと思うな。
posted by waki at 21:12 | Comment(0) | TrackBack(0) このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/6326550
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。