2004年08月13日

>崩壊しはじめた?SONY神話

崩壊しはじめた?SONY神話(大西 宏のマーケティング・エッセンス)

ちょっと前にここを知って、
それ以来サマリーフィード取って、いつも読んでます。

で、今回のテーマにはやっぱり首突っ込みたいなーと。


>「ソニーの神話」はかなり以前から、じわじわと自らを蝕むように崩れはじめてきていました。

それはそうですね。
市場創造に頼る面が大きいだけに、もともと振れ幅の大きな企業だけど、
プレステ・バイオ以来は、なんですねー。

もっとも、彼らがダイナミズムを失ってきているのかというと、
それについては異論もかなりありますけど。

>「HDDウォークマンは半年、1年でiPodを追い抜く」と意気込んでおられたそうですが、前途多難なのではないでしょうか。

私も殆ど不可能だと思っています。

iPodというハードは、
アップルがiPod事業で提供しているもののごく一部です。
...収益はハード販売に負っているにしても。

パソコンとの連携や聞き方編集の自在さ、その使い勝手の部分...iTunes
楽曲流通...iTunes Music Store...日本ではまだですけど。
クルマや家庭内のオーディオとの連携...アップルやサードパーティ製品が提供するもの
ファッションアイテムなどの豊富さ...サードパーティ製品が提供するもの

これら全体に加えて、ファッション・トレンドメディアとのリレーション、それらの分野でのリーダー的なメーカーとのコラボレーションなど(例えばBMWとか)も含めて、
「iPod体験」をつくりだしています。

もちろんHDDウォークマンも似たような広がりをつくろうとしていますが、
やはりハードで勝負しようという面が強すぎです。

もう少し言うと、
ソニーは、数千曲のライブラリを持ち運んで聞くということは、
これまでの音楽の聴き方とかなり根本的に異なる...○○ウォークマンとは聴き方が異なる...「音楽体験」が異なる...
ということに気が付いていない
...気が付いている人は多いのでしょうけど、それが企業としての理解になってないのではないかと思います。

iPodは、最初のうちこそ、気に入った音楽を選んで、お気に入りの曲の順番を考えて聞いているかもしれませんが、そのうちに
「音楽FM局を聞く」ように聞き始めます。
つまり、「パーティシャッフル」機能を使ったり、「最近聞いていなかった曲」を聞いたり「ジャンル」で曲を選んだり...と、
「次になにが聞こえてくるか予想もしない聴き方」をするようになるんです。
もちろんそれは完全なランダム再生とは違って、音楽番組を選ぶような感覚です。

街を歩きながら、次に何がかかるか予想可能な音楽を聞くのと、
この体験との違いは、かなり大きなものですが、
HDDウォークマンの基本は、迅速に曲を選ぶです。
(持ってないのでわかりませんが、リリース等見ている限りはそのように見えます)
迅速に曲を選ぶということは、「知っている曲」「スグに想起可能な曲」だけを結局聞くということで、
そうなると、大抵の人にとって、それは数百曲の範囲でしょう。
数千曲を入れておく意味がないのです。
本質的な体験はMDウォークマンと数個のMD持ち歩くのと変わらないんじゃないかな?

つまりiPodが提供している「ユーザ体験」を理解していないで
ハードのスペック比較とチャネルへの影響力で見るから、
「HDDウォークマンは半年、1年でiPodを追い抜く」なんてことが言えるんでしょう。

体験性の違いを強調しすぎましたけど...それがどれだけクチコミ波及や店頭での商品選択に影響を与えるのか不明ですし...、
でも、少なくともグローバル市場では、
85%以上のシェアを持つ、iTunesMusuicStoreの勢いを削ぐような取り組みができなきゃ、無理ですね。
すでに「CDを買う時代」は終わりに近づいてるでしょう。

それから彼らが、なかなかこの分野に注力できなかったのは、
独自規格へのこだわりと、
あと
やはりグループ内で抱えている音楽事業との兼ね合い...著作権管理の問題が大きいと思います。
HDDで大量にハイクオリティのデジタルデータとして音楽を管理するってことを考えると避けて通れない問題です。
...もう数年前にネットワークウォークマンとかの取り組みはあったんですけどね。

最後に、
ソニーが「失敗」してる分野は、
彼らが「圧倒的な強み」を持ってきた分野ばかりだというのが
面白いですね。

トリニトロン=WEGAで、テレビは圧倒的に強かった。
...今じゃかなり負け組。必死で追いつこうとしている状況。

そして、今回の携帯音楽プレイヤーを表す言葉として
辞書にまで載ってしまったウォークマン

次に彼らがしくじるとしたら、
ゲーム分野で、かなり劇的な技術進化がある時でしょうか??

でも私は(けっしてソニー信者じゃないんですけど)、
彼らのダイナミズムは殆ど衰えてないと思いますし、
あくまでも種蒔く企業として、
けっこう期待しています。
今後も浮き沈みは大きいと思いますけど。

例えば、Edyとか。
まだまだ稼いでないだろうけど、
オサイフケータイで、最初に越えるべき普及のハードルは越えたんじゃないか?
と思ってますし。
posted by waki at 17:02 | Comment(2) | TrackBack(1) このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
トラックバックありがとうございました。
「体験論」興味深く読ませて頂きました。共感です。
それにおっしゃるように、「iPodは新しいビジネスモデル」
という感じがします。また訪問させていただきます。
Posted by 大西宏 at 2004年08月13日 18:36
あっ!コメントありがとうございます>大西さん

>「iPodは新しいビジネスモデル」

一言でいえばまさにそうですね。
ソニーの方も似たようなフォーメーションは整えつつあるけど、
どうしてもハード偏重に見えてしまいます。

独自規格にこだわる点や、
ブランドマネージメントの巧さ、
シーズ優先で業績の浮き沈みが激しいなど
アップルとソニーには共通点が幾つもあって
機会ある毎に比較してみるのは面白いですよね。

スティーブジョブスが、
ソニーの様なブランドインパクトを得ること目標にしてきたのは
よく知られてることですけど、
それだけに
HDDウォークマンが市場で敗れ去ったら
彼は少し嬉しいんじゃないでしょうか。
Posted by わき at 2004年08月16日 20:43
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Excerpt: ウォークマン誕生25周年にあたる本年、ソニーがアップルのiPodに対抗するHDD搭載ウォークマン「NW-HD1」を発売したことは皮肉な話です。ソニーの「独創」のシンボルともいえるウォークマンの歴史を、...
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Tracked: 2004-08-13 18:37