2007年01月25日

全ての図表表現は、空間・時間・比喩

企画作業には、いろんな図表が出てくるよね。

何かの推移グラフとか、ポジショニングマップとか、ピラミッド図とか...いろいろだ。
プロジェクトフローとかも図表だし
SWOTとかのマトリクス全般も図表でしょ?
ついでに良くできた箇条書きってのも(良くできてるものってのは、ある観点でのプライオリティの整理がキチンとできているわけだから)、1軸1次元のマトリクスだって見ることもできる。

こういうのを自在に扱えるか否か、
例えば、ある状況を一気に把握するのに、適切な図表を描けるか否かってのは、プランナーの分析力とか表現力とかに大きな関係があるわけだけど

こういうのって(わかってる人には当たり前過ぎることかもしれないけど)
全ては、

「空間・時間」×「比喩」

の表現なのだよね。

人は、空間+時間の4次元でしか物事を捉えられないし、表現もできない。

本当に当たり前だけど。

でもって、紙やDTPRスクリーンで表現できるのは、フツーは2次元、工夫して3次元までだ。

例えば、推移グラフだったら、横軸を時間、縦軸を何かの量の2軸・2次元で把握しようとしたものだよね。
SWOTは、中味を文章で書くけど、内部軸(強い-弱い)と外部軸(機会-脅威)の2軸で把握しているわけだ。
ピラミッド図なら、大抵は、縦が何かのレベルで、横がボリュームだ。

なんでもそうだ。

状況把握・分析・その表現の本質は、
ある状況の本質を、どんな軸で...大抵は2軸で...切ったら、その本質がズバっと「見える」か(空間として描いて眺められるか)ってこと。
それだけのことだ。

だから、いろんな種類の図表を覚えることが大事なんじゃなくて
軸を見つけることが大事なんだよね。
軸が見えれば、それを素直に表現するだけで、最適な図表になるハズなわけだよ。

始めて見たような図だって、この図の軸は何と何だって考えれば、即座に把握できる。

分析力とは、軸を見つける能力のこと。

それから、最後の表現としての企画書だって、▼とかが多用されて、とかく図的になるわけだけど、
あれだって、▼でリクツが流れていくのが、どういう軸に沿ってるのかが見えないと気持ち悪いし、理解しにくいのだよね。
最悪なのは、▼に誘導されて読んでいくと、途中で違う軸にすり替わるヤツね。

次に「比喩」だけど、
「人間の概念体系が本質的にメタファーである」(by レイコフ)ってのを持ち出すまでもなく
豊かな表現力ってのは、豊かな比喩力ってのと殆ど同義だ。
広告屋の表現は、比喩だらけだ。...だってコミュニケーションつくってるのだから、当然なのだ。

顧客を深耕する(人を掘るなんてできないw)
フォローの風が吹いている(市場環境に風なんて吹かないw)
枠組みの崩壊(えっ?それは建物なの?)
理解レベルが高い層(その高さって何メートルくらいなの?層ってなに?地層みたいに縞模様が見えるわけ?)
川上から川下へ(川でなんか運ぶわけ?...イカダのはなし?)
プッシュからプルへ(なにを引っ張るわけ?)
認知浸透が今回のゴール(その認知浸透って場所はどこにあるの?地図で示してよ)
テイクオフさせる・ランディングさせる(そんなもの飛ぶかよ!)
...
きりがないね。
全てがそうだって言ったって、そうおかしなことじゃない。

そもそも、戦略だの展開だのターゲットだのキャンペーンだの...っていう基本的な用語だって、殆どみんな戦争用語使ったメタファーだ。

こんなはなしがなんで図表と関係あるのかっていうと、

例えば、徐々に枝分かれ(細分化)していく図のことを樹形図っていうよね。
この「枝分かれ」だの「樹形」だのって表現自体が概念メタファーだけど、
そのまま素直に木で表現してやると、「分かりやすい!」っていう人は多い。

逆に収斂していくのは、川で表現するってのもある。

別に(相手によるけど)木や川を描けって言ってるのじゃなくて
土壌、土台、幹、枝、成果(=果実)、源流、川上、川下...なんていう言葉を使うだけで人は勝手に理解する(概念空間を描く)わけだ。

時間軸を表現するなら、旅(旅程マップ)、レース、交通なんかのイメージに置き換えればいい。

出発点、通過点、マイルストーン、到達目標、ターニングポイント...なにげなく使っているけど、こういうのもみんな旅のメタファーでしょ?

さらに表現したいことによっては、船旅や飛行機の旅や徒歩の旅や...そういうより具体的なイメージに置き換えていくこともありえる。

以前によくやったのが(最近は面倒だからやらないけど)
ヨットレースに見立てた図だ。

市場環境の風が吹いてくる方向、風裏になるところ、自社とライバルの帆の向き...
なんてのを表現するわけだね。
どの帆がフォローの風として受けているか、アゲインストになっているかってね。

あーそうそう、ポジショニングマップっていう言い方をするでしょ?
地図じゃないのに。
でも、地図なんだよね。
その理解空間の地平の中で、何がどこにあるか、相互の位置関係を把握するっていう意味で、まさに地図なわけ。

結局なにが言いたいのかと言うと

独自の空間派握力だし、その空間を表現する軸の発見力だし、軸の発見と表現は比喩力と深い関係があるってこと。

だから、とかく論理的であろうとする人は、比喩をいやがり見下げるけど、
誰かのつくった概念を使うだけじゃなくて
自ら創造したいなら
意識的に比喩を使って物事を見ようとすることが大事よってこと。

もっと突き詰めれば、オヤジギャグみたいな緩さ(流動的・拡散的になんでもつなげて言っちゃう...たんに音が同じってだけとかで)もバカにしないこと。

まーいっつも拡散ばかりだと纏まらない・着地しないのだけどね。
拡散させて何かをつかんだら、収斂させないと(表現の意味を限定していかないと)
結局ただのバカで終わっちゃうから。

--

言葉の意味は、突き詰めると厳密に規定できないし、曖昧さって排除できないわけだし、人は突き詰めれば言葉で考えるのだから、論理的でありきることは無理でしょ?
それは、言葉が(人間にとっての世界の把握が)突き詰めれば、概念メタファーの積み上げだからだよね。

(そしておそらくは現生人類は、概念メタファーを操る力を身につけたからこそ...なんでも対照的に世界を捉えられるようになったからこそ...言うなら詩的な思考能力を身につけたからこそ、高度に抽象的な思考が可能になったわけだ)

そういうのを積極的に遊んでいくと
例えば、
重なる意味

--

新しい世界(意味)を感知する
流動的・多元的・意味の拡散・重なる軸・詩的/芸術/アニミズム的...



新しい世界(意味)を捉えて切り出す
固定的・二元的・意味の収斂・明快な1軸・論理的/科学的...
posted by waki at 17:01 | Comment(2) | TrackBack(1) このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
>>新しい世界(意味)を捉えて切り出す


ボクの知人(わきさんもよく知る彼)は、かつてパタヤビーチで土壇場まで気づかずに、危うく【ケツを掘られそうになった】ことがあるそうです。


あぁ…、これは比喩ではないですね。

すいません。でも、彼にとって【新しい世界】を切り出すキッカケになったかも知れないのは事実。


うへー、自分で書いててくだらねー。
ごめんして。

- - -
ps;上海から戻って落ち着きました。
   また近々お茶しましょ。
Posted by 石山城 at 2007年02月06日 20:10
>彼にとって【新しい世界】を切り出すキッカケになったかも知れないのは事実。

折角だから、新しい世界を覗いてくれば良かったにね。
...オレはイヤだけど。

>また近々お茶しましょ。

こっちもグーなタイミングです。
Posted by わき at 2007年02月06日 23:20
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ナレッジテクノロジストには図解の力が必要だ。
Excerpt: (via “フリー*プランナーというお仕事について”の日々の雑記帳: 全ての図表表現は、空間・時) ある状況を一気に把握するのに、適切な図表を描けるか否かってのは、プランナー..
Weblog: atsushifxの七転八倒
Tracked: 2007-01-26 02:56
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