2004年06月12日

匿名掲示板への企業批判

インターネット事件簿「ぼったくり」「氏ね」はどこまでが表現の自由?あるネット掲示板の中傷事件を追う(INTERNET Watch)

東京地裁で下された判決
...都内の予備校が名誉毀損で匿名掲示板を訴えた件で敗訴
これまで、続いてきた匿名掲示板敗訴の流れが変わった??
みたいな記事。
こういう記事読んだり、国会やらなんやらでプライバシーとかメディア規制とかなんとかそういうはなしが出たりするたびに思うのは、

どーして、もっとガキの頃に、
自由主義経済とか民主主義とかプライバシーとか表現の自由とか自己責任とかアカウンタビリティとか...そういうことを、もっと単純明快に学校で教えてくれなかったんだろう??
ってこと。

これらは全部同根だよね。

単純化すれば単純化できるはなしで、

何かを供給する者は...モノやサービスや考え方を提供する企業や行政や政治家...などは
常にその提供するものの範囲については
情報公開と説明責任が求められるし、

消費する者は、常に匿名性と表現の自由が守られなきゃならない。

じゃなければ、「自由な選択」が妨げられる。

「自由な選択」は、やたらと無駄も多いけど、
現実的にはそれにまさるしくみもない。
...官僚が選択するとどういうことになるかは繰り返し歴史が証明していることだし。

自由な選択があるから自己責任が発生する。
(自由な選択がなければ自己責任も発生しない)

最終的に全ての者の責任を明らかにするという一点で、
自由主義・民主主義は優れている。
(ちゃんとした情報を得た上で判断した結果について、
後から文句言うなよってこと)

...っていうリクツなわけだよね。
極めて単純化しちゃえばさ。

オレはこーんな簡単なことを、
大人になって自分でいろいろ本読んだりするまで
まるっきり理解できていなかったよ。

例えば、子供の頃は民主主義ってのは、多数決だと思ってたし、
そう教えられてきた記憶がある。
でも、それは結果的な一面でしかなくて、
ぜーんぜん本質じゃないって大人になるまで分からなかった。
...なんかヘンだなとは思ってたけど。

だから、
匿名掲示板にまつわる話でも、
本来なら、
個人対個人の名誉毀損の件は厳しく望むべきでも
消費者対供給者の件では、
なんでも許されるわけじゃないにしろ...
例えば明白なウソに基づく業務妨害はダメにしろ...
相当に消費者側(選択する側)にたってなきゃ本来おかしいわけだ。

だから、
>『親の間に不信感が広まっている』『授業は役に立たなかった』『はっきりいってぼったくり』と言った書き込みは、
(中略)
>通常の批判や意見の域を出ているとは考えられず、表現の自由の範囲内として許容すべきである。
という
今回の判決は極めて真っ当だと思う。
ちなみに、この件の場合、明らかに問題のある書き込みは、掲示板運営者が原告側の要請に沿って削除している。

今回の判決は、けっして単純に誹謗中傷とされる範囲を狭くしたものじゃない。
相手が個人なら判決は違ったハズだ。
これを個人に対して、よほど明快な根拠を示さずにやったら...あるいは根拠を示していても個人情報を暴露する形でやったら名誉毀損だ。
消費する側の情報はいつでも最優先で守られなきゃならないからだ。
それから、著名な個人...例えばタレントや政治家や大企業のオーナー経営者にまつわる名誉毀損のはなしなら、その内容が、供給側としてのものか消費側としてのものかで判断がかわる。

そりゃー
匿名掲示板は、
あの記事の表現を借りれば「便所の落書き」かもしれないし、
不健全なものかもしれないけど、
不健全という言葉で切り捨てることほど、怖いことはない。

...念のために書いておくと、あの記事を書いてるライターは、「便所の落書き」だからと言ってダメだと言っているのではなくて、逆ね。

最近は、プライバシーとか自己責任...といった
割と社会のしくみの根幹に関わる言葉で
あきらかな意味の取り違えとも思える使われ方が氾濫...混乱してるように見える。

でも、混乱して当たり前だ。
だって、だれもそんな基本的なことをちゃんと教えてもらった記憶がないんだもの。

今は学校でちゃんと分かりやすく教えてるのだろうか??

--

ところで、
私は、普段「供給側」の視点で仕事をしている。
...仕事は誰にとっても大抵はそういうものなんだけど。

だから、関わってる仕事関連だと、匿名掲示板での根拠のない書き込みとかをかなり苦々しい思いで見ていることも多いし、
ブログ上だと、「それは違うぞ」とか言いにいっちゃうこともある。

で、それらの企業批判に対して、個人が人格攻撃受けた時みたいに反応したり、
よほど明快なウソがあったり、個人を装った競合がそこにいるのでもない限り、
組織としてはできうる限り冷静であるべきだし、
影響力が少なそうで拡大の芽が見えないなら無視すべきだし、
もし危険な要素があっても
むやみに力を行使すべきじゃない。
結局、損するだけだ。

それを止めようとするするくらいなら、
ダイアログマーケ的なコミュニケーション手法で、
「味方」の消費者を増やしその意見を拡大する、
その味方に反論してもらう
という手を使うのが最も効果的だと思う。

それに不満を持っている層というのは、
それが芽の内なら、最大の支持層に変わる人たちだ。
...「レモン(問題点)からレモネード(良いもの)をつくる」ってヤツだね。

商品に問題があった>プリプリ怒ってる消費者>相手の期待を上回る対応>オレの意見を尊重してくれたという点から支持層に転換

だね。

言うはやすしなんだけどさ。

でも、偉大なブランドの形成には常にそういうエピソードがあるもんだし。
posted by waki at 19:37 | Comment(0) | TrackBack(0) このエントリーを含むはてなブックマーク
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