2004年12月14日

農協は、農業の観光産業化のイニシアチブを取ることも検討してみるべき

先日、「新潟中越地震で、離農が加速している,農地集約化が加速している」という新聞記事が出ていた。

数百万で買った農機具が壊れる>うんざり・再投資する気になれない>農地集約の流れにがあって、農地を貸せる相手がいる>農地を貸して離農
ってわけだ。

離農・農業の組織化の流れが進むとどうなるか?

農協には幾つか重要な機能があるが、
そのうちの一つは、金融機能...つまり農業設備投資などのための金貸しだ。

これが長期的には今よりずっと痛んでくるハズだ。
だって、農地集約で投資は効率化できるし、農業組織自体が自前の資金調達力を持つようになるに決まってるからね。

農協の重要な機能として、もう一つ、中間流通機能がある。
作物を集めて市場に出す機能だ。

だから、農業の観光産業化をいやがる農協というのは多い。
もともと果樹園芸農業だったり、酪農が盛んなところは、農業の観光産業化の経験値が高いし、様々な企業が直接介入しやすいから、それほど抵抗がないし、その構図の中でしっかり存在意義をつくっていたりする。

しかし、そうじゃないところが、農業の観光産業化をやろうとしたりすると、農協は抵抗することが多い。
流通機能や影響力を奪われると懸念するわけだ。

例えば、米や蕎麦をつくるという経験を売る。
それでさらに蕎麦打ちしたりとかという経験を売る。
プロの花作りを学ぶ。
スペシャルな堆肥の作り方を学ぶ。
...こういうことね。

こういう農芸もののしくみがいったんできると、
客は年に2-3回行くことになるわけだから、観光産業としてはとても効率が良い面がある。

それに時代は、レジャー白書にいわれるまでもなく、とっくの昔...クラブツーリズムの成功以来...テーマ旅の時代だ。
さらに言えば、団塊層男性のサードエイジ化(毎日が日曜日化)...大量定年時代を間近に控えて今後のテーマ旅需要はまだまだ成長余地が非常に大きい。

観光産業化や個客市場化(ダイレクトマーケ市場にのせる)に抵抗する農協にしてみれば、こんなことやるくらいなら、
産品のブランド化だったり、海外市場開拓したり...なんてことの方がよっぽど取っつきやすいらしい。

...それももちろん地域によっては有効なアプローチだね。

でも、あきらかに、市場距離とかの点で、これからのテーマ旅需要対応に向いている地域ってのがある。
ブランド化や海外市場開拓...つまり産品自体の価値アップ...では、世代構成などの問題で、少しくらい上手くいってもそもそも離農を防げない地域ってのがある。

そういうところは、観光産業化をもっと真剣に検討してみるべきだ。

例えば、山菜やきのこ取りなど。
ブームで山が荒れて困ってて、入山拒否しようとか検討しているところも多い。

でもね、それなら、
漁協が入漁券売るように、松茸山を管理するように、
地域全体でやればいい。

解禁日を決め、入山券を発行し、地域でパトロールし、鑑定サービスとか設け、その場で食べれるとかの周辺サービスも開拓し...
ってやれば良い。

そんなことしたら、周囲に逃げるだけだって?
それならそれでいいだろう。
入山拒否だって、どっちにしたってコストがかかるわけだ。
しかも入山拒否をちゃんとやれば、コストだけかかって収益機会はほとんど生まれない。...誰がやるわけ??

それに近郊地方都市からくる人たちはともかく、
大都市部から来る客は、金払ったって、安心してちゃんとした成果が期待できる方がいい。
そういう人たちは、宿泊だって見込めるから、周辺産業も潤う。

ちかくの都市から朝クルマでやってきて、
お金を落とさず山を荒らす人たちを追い払って、
金を落とす客にサービスできるなら、いいじゃないか!

こういう風に、「観光産業化」を考えた時、
農協が出来ること、そこに新たな権益を生むアプローチってのは
いろいろあるのだ。

だから、頭っからイヤだイヤだじゃなくて
もうちょっと真剣に検討してみて欲しい。
posted by waki at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) このエントリーを含むはてなブックマーク
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