2006年01月08日

なぜ素人ほど専門家は断言するものだと思いこむのだろう?

法律に疎い人ほど、優秀な法務の人なら、法律に基づいて答えをバッサリ出してくれるものだと思いこんでいることが多い。

科学に無知な人ほど、科学とは白黒明快に付けられるものだと思いこんでいる。

マーケティングに無知な人ほど、市場調査を通してあるべき戦略の方向性は明快に出てくるものだと思いこんでいることが多い。

こういう例は幾らでもあげられるよね。

もちろん実際は、
単純な低レベルの問題なら、断言できることは多いし、
それから高度な問題でも、それがクライアントのためと思って、充分に検討した上で、自ら責を負うつもりで...、 あるいはそれが時間との勝負という面が大きい場合とか、 リーダーとして判断し振る舞わなきゃならない場合に必要に応じて
最後は断言するってことはあるにせよ、

実際は、優秀な専門家ほど、高度な問題であるほど、聞きようによっては曖昧で責任回避にも見えるかもしれない幅のある選択肢を示したりするものだし、
深く分かっているからこそ簡単に明快な結論なんて出ないものだ。

少なくとも結果的にどう振る舞うかということを置いておけば、
専門家の内面は優秀な人ほどそうなるものだ。

でしょ?当然だよね。

でもね、どういう場合でも、無知な人ほど、まるで小学校のせんせーに答えを求めるかのように、専門家に答えを求める。

もちろん誰だって、別に自分自身が専門家になるつもりがないなら(あるいはその専門分野について興味を持って学びたいとかでもない限りは)
答えは単純明快に示された方が良いに決まっている。

でも、同時にまともな判断力を持った大人なら、可能性の幅を示せない専門家なんてイカサマのイカくさーい臭いがするって思ったって当然じゃないか?

なんでこんなことを書いているのかっていうと
きっかけは
日本物理学会「ニセ科学」シンポジウム(/.)
を見て、
ほらあの例えばマイナスイオンとかさ...ニセ科学が大手を振って歩いちゃってるわけでしょ?
マイナスイオンのナンセンスさはともかく、あれって典型的な断言型。
「マイナスイオンは体にいい」って断言しているわけだよね。
...おいおい、例えば、アルカリ性が強い方が体にいいとか、温度が高いほど体にいいとか、電磁波は体に悪いとか(太陽光線だって電磁波だよねー)...そんなこと断言できるか?
体にいいとか悪いとかってのはすごく複雑な問題じゃん。
それを極めて単純な尺度で断言しちゃうところでそもそもイカ臭いわけだよ。

でもって、そういうのって、別に科学のことに限らず、あらゆる分野にあるわけでしょ?断言を求めて、断言型イカ情報こそがはびこるってのが。

ってなんとなく考え始めたわけ。

政治家は、断言型の方が良いですかね?
経営者も、断言型が良いですよね。

こういうのは、「リーダー」っていう仕事であって、
小学校の先生もある面リーダーだから仕方がないのだよね。

でも、専門家ってのはリーダーとは違う。

難しいけど、リーダーと専門家は(場合によっては同じ人でも今どっちの顔なんだって)切り分けてつき合わなきゃだめだ。
人々をリードするために流される情報成分と、専門情報成分も、
成分を切り分けて捉えなきゃ。

...世の中に一神教がはびこるのも仕方がないのかね。
一神教は、一軸の論理体系だけで、「断言」するためにあるようなところがあるからね。
宗教のリーダーシップ性を考えるとしょーがないのだろう。

占い師もオレの大ッ嫌いなよくテレビに出てるアイツとかも、とにかくやたらと断言するから売れるのだよね。
断言しない占い師は売れない。

でもさ、世の中では、自己責任とかメディアリテラシーとかそういうことを言うわけじゃん。
だったら、やっぱり「断言」には気を付けないとね。
断言したヤツが明らかに責任取れるなら別だけど。

リーダーが、高度な問題ほど熟考の上明快に断言するなら、それは責任感と使命感のあらわれだ。
専門家が、高度な問題ほど単純明快に断言・白黒つけるなら、それは無能か、誠実さの欠如か、間違った訓練を受けてきているかのいずれかだ。

間違った訓練ってのは、
例えば、ほら医者とかで、「どうするのか決めるのはいつでも医者だ。患者はただ従えばいい」とか教え込まれてきた人とかいるじゃない。
誠実に分かりやすく判断材料を並べて、最終的な選択・決断は患者にさせる
ってのをやらない人ね。
...緊急事態とかなら別だけどさ。

...できるだけ自分で判断しよう

専門家を使う時には、
誠実に分かりやすく判断材料を提示してもらうことを求めるべきで、
決断自体は自分でしなきゃダメだ。

っていう言い古された
しょーもない結論にしかならないか
このはなしは。
posted by waki at 18:33 | Comment(0) | TrackBack(0) このエントリーを含むはてなブックマーク
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